しょうぼうじどうしゃじぷた(こどものとも傑作集)渡辺茂男 さく 山本忠敬 え 福音館書店 1963年発行
町の消防署にある消防車「じぷた」のお話。
じぷたは、古いジープを改良した小さな消防車。
小さな車体に小さなポンプ、大きな消防車に比べたら、サイレンだってなんだか貧弱な音。
大きなはしご車やポンプ車達は、ビルの火事に出動できるのに、じぷたはぼやとか小さな火事ばかり。
町の子供達も、大きなはしご車達のことは注目するけど、じぷたのことは誰も見てくれない。
悲しくて惨めな気持ちになるじぷた。
そんな時、隣村で山小屋の火事が発生。
道が狭い山道は、大きな車じゃ登れない。
さあ、出動するのは・・・
息子がトミカにハマっていた頃、購入した絵本です。
働く車が大好きな男の子は、消防車が出てくるだけでワクワク。
車が細部までリアルに描かれているので、トミカのはしご車を持ち出して一緒に眺めていた息子です。
誰かと比べて自分のことがちっぽけで役立たずに思える時。
みんなの注目は、派手に活躍する人ばかりに向いている。
地道にやってる自分のことなんて、誰も気づかない。
小学生くらいになれば、じぷたのような気持ちを経験していくのかな。
でも、自分が輝ける場面は必ずあること。
頑張っている自分を見ていてくれる人が必ずいること。
この絵本には、そんなメッセージが込められているのかもしれません。
なんて、教訓めいたことを考えるのは、大人の勝手ですね。
車好きな男の子は、是非読んでみて欲しい1冊。
最近のハイパーな消防車ではないけれど、レトロな働く車もお楽しみあれ。
(読んであげるなら4才〜自分で読むなら小学校初級)