作・絵 かこさとし 童心社 1976年発行
主人公は、怪獣よりもずっと怖い凶悪なバイキン「むしばミュータンス」
このミュータンスが、人間の口の中をすみかにして、人間の歯をどんどん虫歯にしていくお話。
ミュータンスのお気に入りは、甘いお菓子を食べまくる子供達。
お菓子が大好きで歯磨きをしない子供の口の中で、どんどん仲間を増やし、虫歯を増やしていくのです。
虫歯で歯がボロボロなって、ご飯も食べられず、最終的には病気にしてしまうことがミュータンスの目標。
だからお菓子をどんどん食べて、ママの言うことは聞かないで、歯磨きなんてするな、と語りかけるミュータンス。
この本には、我が家の子供達3人ともお世話になりましたが、決して子供達のお気に入りというわけではありません。
「これ読んで」って持ってくる頻度はかなり低い1冊だけど、なかなか歯磨きをしない子供達にとっては、衝撃度はかなり高い1冊だったかも。
初期段階から進行していく虫歯の絵もあるし、虫歯で病気になるなんて言われたら、やっぱり怖いですから、読んだ後の効果は絶大、しっかり歯磨きするようになりました。
「歯磨きしなさい」といくら言っても「ヤダ」とか「後で」とか言ってる子供達には、優しく「歯磨きしましょう」という絵本では、効き目が薄い。
逆に「どうぞ、磨かないで」「どんどん甘いもの食べて」なんて言われると、磨かなきゃマズイと思うみたいです。
30年以上も前の本なので、レトロな雰囲気だけど、子供の心理をよく考えた絵本。
子供にというより、子供の歯磨きに悩むママやパパにおすすめの1冊です。