いちごばたけのちいさなおばあさん
わたりむつこ作 中谷千代子 絵 こどものとも傑作集 福音館書店
春、いちごが真っ赤に色づくのはなぜでしょう。
いちごばたけの土の中には、ちいさなおばあさんが住んでいて、いちごの実がなると、実に赤い色をつけていくのです。
おひさまの光をあびた水に、緑の石の粉を入れると赤い色ができ、おばあさんがひとつひとついちごを染めていくお話。
私が子供の頃読んだ絵本で、本屋で見つけ懐かしさのあまり即購入しました。
昔、祖母の畑の隅にいちごが植えられていて、いちごの実がなるたび「ちいさなおばあさんが色をぬったんだ」と思って眺めていました。
とにかく絵が素敵です。夕日に染まる畑の風景は、どこか物悲しく、ノスタルジックな雰囲気。
静かで、しっとりとした内容は、大人も心が癒されます。
寝る前の読み聞かせにはぴったりかもしれません。
いつもは笑える絵本が大好きな我が家の娘達も、じっと聞き入っています。
いちごを食べる時に、絵本のおばあさんを思い出してる様子は、昔の自分を見ているようで、うれしくなりますね。
1973年に発行され、長い間読み継がれている絵本です。
親子で同じ絵本の思い出を共有できたら素敵ですね。
春、いちごの季節におすすめの1冊です。
(読んであげるなら 4才から 自分で読むなら 小学校初級むき)