はじめてのおつかい 筒井頼子 作 林明子 絵 こどものとも傑作集 福音館書店
5才のみいちゃんが、ひとりではじめてのおつかいに出かけるお話。
手には100円玉2つを握りしめ、近所のお店に牛乳を1本買いに行くのです。
妹ができて、お姉ちゃんになったみいちゃん。
大好きなママのお願いだもの、勇気を出して出発です。
途中、自転車のベルにドキドキしたり、転んでお金を落としたり、小さなハプニングの連続。
お店のおばさんを呼びたいけれど、大きな声が出ない。
車のエンジン音にかき消されたり、大人のかげに隠れてしまったり、なかなかお店のおばさんに気づいてもらえません。
お話を聞いている子供達も、思わず「頑張れ」って応援してしまうのです。
ママと一緒なら元気にお話もできるけど、一人で大人に話しかけるのは、子供にとっては一大事。
自分がみいちゃんになった気持ちでお話に入り込んでしまいます。
同名のテレビ番組もありますね。
テレビほどのドラマはないけれど、不安やドキドキが絵本からたくさん伝わってきます。
この本は1976年発行で、私もみいちゃんと同い年(ああ年がバレる〜)。
絵本の中の光景は、私の子供の頃そのまま。
長くて赤い掃除機、手で蓋を開けて注ぐ魔法瓶、肩ひものついたみいちゃんのスカート、店先にあるのは、赤と水色の公衆電話、大きな受け皿のはかり、タバコのケースには当時のお父さん達がみんな吸ってたハイライト。
ああ昭和!!
みいちゃんみたいに、近所のお店にいつも豆腐を買いに行ってたっけな。
大人はみんな持ってる思い出かもしれませんね。
子供達に読み聞かせるたび、自分もタイムスリップ。
忘れかけていたドキドキを子供と一緒に体験できる1冊です。
(読んであげるなら3才から 自分で読むなら小学校初級むき)